同人AVの歩き方 ~ステップ⑤:中編・実際の撮影で押さえておきたい実践テクニック①~

さてさて、前回は撮影に関する基礎知識と事前準備について説明しましたが…今回はいよいよ実践編。カメラを回す際に気を付けるべきことを具体的に語っていこうかと思います。

とはいっても撮影者によって使用する機材や環境は様々。ここでは比較的共通しているようなカメラの機能や考え方、いい画を撮るためのちょっとしたコツをお伝えできれば…というわけで早速本題へと移りましょう!

◆まずはどんな画を撮りたいのかを決めましょう

自分が撮影者としてどんな映像・アングルを撮りたいのか、目指しているのか…そんなことって普通に生活してる人は常に考えていないものです。そしていざ撮影を始めようとしたところで急に降ってくるようなものでもありません。ではどうすればアイデアがわいてくるのか?「簡単です」とは言い切れませんが、実はそのヒント、目の前に意外とたくさん転がっていたりするものです。それをひと言で言うと…。

「自分が好きでヌイているオカズをお手本にすべし!」

こうして同人AVを撮影しようと思っているアナタには、必ずお気に入りのAVや、ネットで見かけて思わず保存してしまった動画があるかと思います。そうです、つまりアナタの「オカズ」です。これはイコール自分の性癖を表しているものであって、そのAVにはお気に入りの箇所が必ずあると思います。プレイの内容なのかシチュエーションなのか、セリフや音なのか、モデルの体形や衣装なのか…こうした要素が自分の性欲にダイレクトに響くときは、的確なアングルや編集など、見せ方=撮り方に成功しているということに他なりません。

例えば今度自分が撮影するモデルが巨乳だったとしましょう。そしたら自分のお気に入りのオカズの中の巨乳モノAVや動画をいくつか見てみるのです。そしていつも自分が射精してしまっているタイミングがどこかを意識して、あらためて確認します。そしてそのシーンの何が自分を興奮させるのかを考えてみるのです。

巨乳であることを活かすために意識的に下からあおってより大きく見せているなとか、ばいんばいんとバウンドしてることろが好きだからそういうシーンを長めに撮っておこうとか、むしろセックスはオマケでとにかく顔やおち○ちんがおっぱいで埋もれたりしてるところを延々見せたいだとか…ゼロから考えるとわからないことも、こうしたお手本があることで具体的な答えにたどり着くことができます。

何事もまずは模倣から入る、それが上達の近道なのです。今一度自分のお気に入りを振り返って、どんな画を撮りたいのか決めましょう。

◆撮りたい画や撮影の流れはサムネイルから逆算すべし

自分のオカズをお手本に撮りたいシーンをぼんやりとイメージで来たところで、さらにもう一歩踏み込んだテクニックをご紹介します。同人AVのみならず、メジャーな適正AVでも、もっといえばYouTubeなどの一般的な映像作品でも非常に重要視されているサムネイル、これを研究するのです。

いまさら聞けない人にご説明しますと、サムネイル(サムネと略して言うことが多い)とはサイトで動画を買うときにずらっと並んでる表紙画像のことで、その良し悪しでどれだけクリックしてもらえるか=買ってもらえるチャンスが高まるかが決まる大事なもの、いわば作品への入口です。

まず自分が販売しようとしているサイトへ行き、撮ろうとしているジャンルで検索をかけてその結果を「人気順」「売上順」などで並べ替えます。そして上位の作品のサムネイル画像を見てみるのです。その画像はおそらく「何をやってるのかわかりやすい」「体のラインがいやらしく出ている」「顔が超絶可愛い」「衣装のスタイリングがエロい」など、何かみんなを引き付ける要素があるはずです。

こうして同ジャンルのたくさんの人気作品のサムネイルをひたすら保存しておき、そのアングルや照明、メイク、衣装など、自分がますは取り入れられそうなところを全てマネしていきます。

あとは前項で述べた「お気に入りのオカズ」から好きなシーンをスクショしておき、保存しておいたサムネイルと合わせて自分の順番に並び替えてみると…どういった順番で撮影していけばいいかを示すコンテの代わりになり、現場でもスムーズに撮影を進行することができるようになります。当日テンパって「次どうしよどうしよ…!」なんて言ってるとモデルのテンションも下がっていい映像を撮ることができなくなりますからね。

現場当日では、この「サムネコンテ」の流れが円滑に進むよう、撮影場所に着いたらテーブルなどの広げられるスペースにおもちゃやローション、ゴムなどの小道具を広げておき、衣装も出してハンガーにかけておくなど準備しておくとさらにベターです。

で、こうした「サムネコンテ法」の何がいいかっていうと…撮った作品を販売する際に動画から見せたい場面をスクショして、その中からサムネイルや紹介用の画像をセレクトするわけですが、準備段階からキメのカットを想定しているのでそのセレクト時に迷うことなく、しかもこれぞという勝負画像ばかりになるのです。

◆実際にカメラを回す前に「映像の明るさ」を意識しよう

ではいよいよ理想の画を撮るためにカメラを回して…といきたいところですが、少しでも見やすい映像を心がけたい方は、「映像の明るさ」にも注意したいところです。

先程サムネイルの話をしましたが、売れているモノの多くは画面が暗いものより明るいものが多いように思えます。つまりぱっと見で「何をやってるか」「どういう状況か」「女の子が可愛いかどうか」など、その商品の魅力が瞬時にわかるようになっています。画面が暗くてよく見ないと判別できないものはクリックしてもらえないのが現状です。

そしてサムネイルだけだと静止画なので後から明るさを調整すれば済む場合もありますが、本編である動画となると明るさやコントラストの調整が難しく、慣れていないと不自然さが残ったりすることも少なくありません。

「明るい画面を」なんて言うと、マニアックな方が多い同人界隈では反論もあるかと思います。例えばパパ活や素人流出設定の動画は暗い方が生々しくてリアルなんじゃないかと。たしかにめちゃめちゃ気持ちはわかるのですが、怪しさや生々しさは暗くなくても出せる方法(静止画ならフラッシュ、動画も広角+近接用ライトで接写を多用するなど)がありますし、今は明るくわかりやすい方が主流に思えます。

明るく見やすい映像を撮るのにまず思い浮かぶのは照明ですが、現在は安価でいいものが数多く出そろっています。基本は被写体の左右から当てた方がいいので2灯あった方がいいですが、自分の予算に合わせて少しずつそろえて、真正面から当てるなど方向を試しながら工夫するといいでしょう。

ちなみにワタクシは荷物を最小限に抑えたいので、朝~昼間の時間帯に自然光が入る場所で撮るようにしていて照明機材は基本的に無し。接写用にカメラに取り付ける小型のLEDライトくらいにしています。

次にカメラ側の明るさの設定。一眼レフの場合は「露出」と「ISO感度」の設定で明るさが決まります。しかしむやみに上げ過ぎると白飛びしてしまったりするので、液晶モニタで確認しながら設定しましょう。よくわからなかったら明るさオートで撮っても、イマドキのカメラは賢いのでいい感じに撮れたりします。ヘタにこだわろうとしてせっかく撮った映像素材が使えないものになるよりはいいですからね。

ちなみに最近ではスマホのカメラでも「露出」や「ISO感度」の設定ができるものがあるようなので、こだわりたい方は撮影前にいろいろ弄ってシミュレーションしておくのもいいかもしれません。

あと明るさはオートでもいいけど、ホワイトバランスには気を付けた方がいいかもしれません。これは白い色がちゃんと白に見えるように色味を調整する機能といいますか。例えば蛍光灯の明かりだと青っぽい映像になったり、ホテルなんかの黄色い明りだと全体的にオレンジっぽくなったり、こういうのを防いで適正な色に近づけてくれます。

これはカメラの設定に「ホワイトバランス調整」の項目があり、そこから「晴天」「曇り」「日陰」、屋内の「蛍光灯」や「白熱灯」といった、撮影環境に合わせたプリセットを選ぶことで簡単に調整できます。興味がある方はマニュアル設定に挑戦してもいいかもです。

◆次回はさらに細かな部分に迫ります!

というわけでお送りしてきました撮影時の実践テクニック編ですが、この手の話はとにかく尽きないというか、いくらでも伝えるべきことがあるように思えます。ワタクシも書きながらどんどん湧き出てきてしまって…次回「後編・実際の撮影で押さえておきたい実践テクニック②」へと続きます。

編集やモザイク作業を意識した撮影や、カメラの台数、アングルについて、その他手持ちカメラの注意点など、細かな部分に迫っていけたらと思っています。どうぞお楽しみに!