AV心理学講座 3時限目「フェラチオの歴史~陰部を舐めることで引き起こされるムラムラ効果の正体」

写真協力:ホームランゆたか/LOOKS.TOKYO

台風が多くなってきた今日この頃。何事もなくお過ごしでしょうか。私は、外出できないことが多いとき、家でゴロゴロAVでも観て、秋の夜長にしっぽりオナニーに勤しんでいます。

さて、好評かどうかはわかりませんが、今回もAV心理学講座を進めてまいります。今回のテーマは「オーラルセックスの是非」についてです。

第1回(https://www.xcream.net/blog/archives/8398)では、インタビューが不要か否かを検討しましたが、実はAVで不要なシーンとして、フェラチオやクンニ(または男優によるアナル舐め)を挙げる人が少なくありません。

個人的にはめちゃくちゃ好きなんですが、どうも男優のペニスに目がいってしまって集中できない人も多いようです。ギンギンにそそり立ったアレをうれしそうに頬張る「フェラ顔」がたまらないんじゃないかぁ!と思わず反論したくなりますが、まあ好みは人それぞれなので、致し方ありません。

というわけで、今回はあくまで個人的見解は抜きにして、フェラチオやクンニが性行為においてどんな影響を及ぼしているのか、歴史をひも解きながら科学的に分析していきたいと思います。

昔のAVにフェラチオシーンはなかった!?

私はこれまで老若男女を問わず、AV業界に関わる様々な人にインタビューしてきましたが、AV黎明期と呼ばれる80年代の業界を生き抜いた方のお話は実に興味深いものがあります。

80年代後半から90年代にかけて、AV女優ながら本番カメラマンとして活躍された南ももこさんという方をご存知でしょうか。私はかつてご一緒に仕事をさせていただいた関係で、当時の業界についていろいろと聞かせてもらいました。

南さんによると、当時のAVではフェラチオは一般的ではなかったそうです。

「私は本番はできても、フェラチオだけは絶対に嫌だった。そもそも普通のセックスでもそんなことしたことある女の子は少なかったから」(南さん談)

実際、かつての名作と呼ばれるAVを観ても、フェラシーンは必ずしも必須というわけではなかったようです。80年代オールナイトフジでも活躍した秋元ともみさんという名女優がいますが、彼女のデビュー作にフェラシーンはありませんでした。まあ、そもそもセックスシーンすらなかったわけですが。今でいう着エロに近い作品と言えるかもしれません。

今では、一般人のセックスでもフェラチオは当たり前のようにされていますが、当時はまだ「変態行為」のひとつで、アブノーマルなプレイだったのです。

フェラチオは歴史的にはタブー視されていた

ただ、歴史をひも解くと、人類はかなーり昔からフェラチオをしていたことがわかっています。古代エジプトや古代ローマ、古代ギリシアでもフェラチオをしていると思われる壁画などが残されているからです。

日本では平安時代に記された『日本霊異記』に、フェラチオに関する記述が残されており、江戸時代には春画として一般に頒布されています。

ただ、当時からフェラチオはタブー視される傾向が強かったようです。古代インドの『カーマ・スートラ』では、汚れた行為とされていますし、古代ローマでも娼婦のする淫らな行為としてタブー視されていたようです。

日本でも、江戸時代には遊女がする行為とみなされていて、どこまで一般的に広まっていたかは定かではありません。「まあ、口でしゃぶるなんてお下品ですわ!」ってな感じだったんでしょう。

劇的に変化が起こるのは、ビデオデッキが普及し、日本や海外でのポルノ映像に触れる機会が増えてからのことです。80年代のAVユーザーは「うわぁ、チンポ咥えるなんて淫乱すぎだろ~!」と、驚いていたというわけです。時代の流れというのは恐ろしいものですね。

ヒトはタブーに興奮する!

さて、フェラチオが普及した要因の一つに、人類の飽くなき性的探求心が挙げられます。AVなどでフェラチオを観ているうちに、だんだんと「自分もされてみたい」という欲求が高まったと考えられます。

その性的探求心を呼び覚ましたのは、言うまでもなくタブー視されていたことが大いに関係していると思います。

心理学には「心理的リアクタンス」という用語が知られています。これは、ヒトが自分の行動の自由を脅かされたり、実際に自由を奪われたと感じたとき、その自由を回復するように強く動機づけられる状態を指します。

簡単に言ってしまえば、「禁止されたことをしてみたい」という欲求のようなものです。私も子どもの頃、親に「ゲーム禁止」と言われて、やりたくてやりたくてしょうがない気持ちになったことを思い出します。

日本では、1980年に公開された映画『カリギュラ』に由来して、「カリギュラ効果」とも呼ばれています。

映画『カリギュラ』は、ローマ帝国初代皇帝アウグストゥスの曾孫カリギュラという暴君をテーマにしており、その内容はハードポルノでした。そのため、社会的に大きな波紋を呼び、アメリカでは上映禁止になりました。

しかし、禁止されたことで逆にアメリカ以外の国で大ヒットを記録。こうして心理的リアクタンスはカリギュラ効果とも呼ばれるようになったんですね。

つまり、フェラチオは歴史的にタブー視されていましたが、それが映像で簡単に見られるようになり、人々の欲求に火をつけたのではないかと考えられるわけです。

フェラチオでムラムラが高まる!

じゃあ、フェラチオは、女性にどんな影響を及ぼすのか。結論から申し上げますと、性的欲望の引き金になります。

男女ともに性的欲望を喚起するのには、テストステロンという男性ホルモンが影響していると考えられています。男性は精巣、女性は卵巣で分泌されることもあり、いわば「ムラムラホルモン」というわけです。

男性ホルモンとも呼ばれるだけあって、テストステロンは男性に異常に多いこともわかっています。その分泌量はだいたい平均して10~100倍にもなるとわかっています。

男性は非常に多くのテストステロンを保有しており、唾液や体液中にも含まれています。

ここまでくれば、だいたい想像がつくかもしれませんが、男性のペニスを舐めることによって、女性は男性のテストステロンを受け取っているのです。

テストステロンを受け取った女性は当然ながら、性的興奮を喚起されます。そればかりか性器の感度も高まるんです。要するにフェラチオすることで女性もめちゃくちゃ感じやすくなるってことです。あのウットリとした「フェラ顔」の理由がおわかりいただけたかと思います。

また、唾液や粘液を交換することで、男女はお互いの愛情を高め合う効果があることもわかっています。

女性はフェラチオをするだけで、ムラムラしたエロくなるんです!そう考えると、時代を経てセックスに欠かせない要素になったのもうなずけるのではないでしょうか。

フェラチオをされたらクンニでお返しはマナー!?

さて、セックスにおいて、女性にフェラチオをされたらクンニをしなければならないのかは、男子のテーマでもあります。

官能小説家の大泉りか氏がFANZAニュースで、女性を対象に「セックスにクンニは必要ですか?」というアンケートを行ないました。

その結果、「絶対に必要」が28.5%、「できればして欲しい」が38.1%で7割に近い女性がクンニ好きであることがわかっています。

まあ、フェラチオはごく一般的に女性がする行為になっていますから、男性もクンニをして当然ではあります。

しかし、男性の中には「絶対にしない」という人もいますよね。私の知り合いでもいますが、エロ行為なら何でもしたい私からしてみれば、実に不公平な感じがしてしまいます。

心理学的では「返報性の原理」という心理効果が知られており、一般的に誰かから施しや奉仕を受けたとき、「何かお返しをしなければ申し訳ない」と思う心理状態を指しています。

逆に考えると、奉仕をしたのにお返しをくれないと、わだかまりが生じかねません。フェラチオをした御礼にクンニをするというのは、ごくごく当たり前のことなんです。すみません、つい個人的な本音が漏れてしまいました。

とはいえ、男優は必ずといっていいほどクンニをしていますよね。これはフェラチオがほぼ必須なシーンとなっているがゆえに、わだかまりを生じさせないためのテクニックと言えるのかもしれません。そう考えるとAV男優って、とことん紳士なんですよね。

今回のテーマは、みなさんのセックスライフにも活用できるかと思います。ただ、オーラルセックスはやりすぎると性病の原因にもなるので、ちゃんと歯磨きやお風呂に入ってからやってください。AVでは男優も女優も、きちんと清潔にしてますので!

今回も拝読いただき、誠にありがとうございました!!